ケース1 金属加工業(年商8億円・従業員35名)
状況
粗利率がこの2年で3ポイント低下。
原材料費の上昇分を、売値に反映できていない。
社長は値上げの必要性を感じているが、
30年来の取引先にどう切り出せばいいか分からずにいる。
1〜4週目 数字にする
決算書と販売データから、取引先別・製品別の粗利を集計。
上位10社のうち3社で、実質的に原価割れしていることが判明。
ある製品群で外注費の比率が突出して高いことも分かる。
5〜8週目 どこから手をつけるかを決める
値上げをお願いする先を4社に絞る。
それぞれの改定幅を、コスト上昇の内訳から算定。
通知文と、先方の購買担当者が社内稟議で使える根拠資料を作成。
値上げが難しい2社は、外注先の見直しで原価を下げる方向で検討。
3〜6ヶ月目 交渉と着地
社長が各社と交渉。想定される反論への返し方は事前に準備。
4社中3社で改定が成立。
残る1社は、最低ロットの見直しという形で採算を改善。
その後(月次サポート)
毎月の点検で、ある製品の原価が上がっていることを発見。
売値に反映できていなかったため、次回改定の対象に追加。
半年後、仕入先から値上げの申し入れがあった際に、
どこまで受け入れ、売値にどう反映するかを一緒に検討。
1年後、全取引先の採算を組み直し、次の改定対象を選定。
ケース2 建設業(年商5億円・従業員22名)
状況
社長は65歳。息子が後継者として入社しているが、
現在の利益水準で会社を渡していいものか迷っている。
進め方
まず収益の状況を整理。
工事案件ごとの粗利を集計したところ、
自社の人件費を配賦していなかったため、
実際には赤字だった案件が複数あることが判明。
見積もりの単価設定を見直し、次年度の受注から適用。
同時に、社長が個人的に持っていた見積もりの判断基準を文書化し、
後継者が同じ基準で判断できる形に整理。
その後、承継計画の策定に着手。
経営権を移していくスケジュールと、
社内・取引先への発表の手順を決めた。
ケース3 運送業(年商12億円・従業員80名)
状況
最低賃金の上昇で人件費が増加。
ドライバーの確保のために賃上げが必要だが、その原資がない。
進め方
荷主別・路線別の採算を集計。
特定の荷主で、実車率の低さから採算が悪化していることが判明。
労務費の上昇分を根拠として、運賃改定を3社に申し入れ。
同時に、設備投資による省人化について業務改善助成金の活用を検討。
この助成金は賃上げより前に申請する必要があるため、
申請の時期から逆算してスケジュールを設計。
※上記はいずれも想定例です。
実際の進め方や結果は、企業の状況によって異なります。
